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- 54歳女性、主訴は抑うつ気分、意欲低下、不眠
- 大学の講師として働いているが、4月に責任ある仕事に就き、6月頃より仕事のストレスを感じるようになり、気分の落ち込みがひどく何もやる気になれず、8月頃より何をどうすれば良いのか考えられず仕事が手につかないことが多くなった。睡眠も取れなくなり、9月20日からは仕事に行けず、24日に当クリニックを受診した。
- 初診時の表情は硬く、不安げで、声も小さい。不安、不眠、抑うつ気分を認め、精神運動・思考制止を認めた。仕事に対して自信が持てず食欲低下、体重減少(5kg以上)も認め、下痢と便秘を繰り返していた。症状、経過より、うつ病と診断。薬物療法の開始と休職を提案し、本人の同意を得た。薬物はセルトラリン25mgで開始した。
- 休職、薬物療法により睡眠、食欲の改善が見られ、セルトラリン50mgで徐々に意欲の改善もみられるようになり、睡眠、生活のリズムも安定し、仕事に対する意欲も戻って来たため、12月からの職場復帰を果たした。
- 典型的なうつ病であり、薬物に対する反応も良好であった。職場復帰にあたり、休職前の仕事ばかりの生活の見直しを提案し、本人も無理のない復職、畑仕事や楽器演奏など忘れていた趣味の再開にも積極的になっている。
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