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- 29歳女性、主訴は不眠、めまい、耳鳴り
- 高校卒業後、B市の大学に進学、大学3年の夏より自傷行為、抑うつ気分を認めたが、放置していた。X-4年3月、被害関係念慮、幻聴を認めB市のクリニックを受診し薬物・精神療法を開始する。薬物療法により幻聴は軽快し、コンビニのマネージャーとして仕事に就き、外来通院を続けていた。X年2月に転勤のため、C市に転居し、同年3月4日に当クリニックを受診した。
- 初診時表情は硬く、疲れた様子であった。不眠、めまい、耳鳴りを認め、時に職場や自室で見られている様に感じたり、ざわざわとした耳鳴りがある、と訴えていた。紹介状の診断(統合失調症)は妥当であると考え、B市のクリニックでの薬物療法(エビリファイ24mg、インベガ12mg、クエチアピン200mg)の継続を約束した。多剤併用の不利益を説明し、徐々に薬物の整理をしていくことを提案し了解を得た。
- 1回/2週の外来通院を続け、会社にも病名、通院に関して話していたため、上司に病状説明し、障害の理解に努めた。抗パーキンソン剤の併用量が多いため減量を始め、クエチアピンの減量も始めている。仕事はほとんど残業はなく、安定した生活リズムを保つことが出来ている。
- 現在、完全に寛解状態あるとはいえず、病状は不安定である。独り暮らしであり本人のサポートをする家族はいない為、外来通院を続ける中で、本人が必要とするサポートを提供できるように努めている。自立支援制度の利用も始め経済的な負担を減らし、必要な時に外来受診できるようにしている。
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